2012年06月25日

未来への投資

当社ケアマネが担当する利用者様で、現在寝たきりの方がいらっしゃいますが、
数ヶ月前に入院され、そろそろ退院の話が出てきています。

そろそろケアマネが動き出していますが、
在宅生活が維持できるように一番いいプランを作成し
ご家族に示しますが、現在すべてのサービスを拒んでいます。
入院される前も同様のことが起こり、ケアマネの頭を悩ませていました。

一番の理由は「お金」であるようですが、
裕福とまではいかなくてもある程度の生活資金はあるようです。
だけど、お金がかかる!と尻込みしている状態です。

このままご本人がご自宅へ戻って、家族で面倒をみたとしても
絶対にうまくいかないのは目に見えています。

なぜならこれまでがそうだったから...
ご家族に「介護力」がないのです。

また同じことを繰り返し、病院へ入院して出費が出てしまう。
何度説明しても、その時は「わかった」と納得されるのだが、
必ず数日後に電話がかかってきて、「やっぱり…」となる。

これまでその繰り返しで、どうしてもうまくいかなかった。

このご家族には、「未来への投資」という考えが全く通じない。
目の前のことしか見られない。

何かあって入院することはしょうがないが、それを予防するための
介護サービスはなかなかこういう方にとっては受け入れ難いものとなる。


逆の考えの方もいます。

まだまだ元気で介護保険の認定がおりないようなおばあさんを
このまま将来家にいても寝たきりになってしまうのではないかと
心配されて実費負担でデイサービスを利用し、生活のリズムを整えて
元気なうちから予防に成功した方もいらっしゃいます。

ご家族の考え方でご本人が受けるサービスが変わってくる。
もっといえば、ご家族の価値観でご本人の最後の人生が変わってしまう。
これまでこういう例は何件も見てきました。

利用者さんやそのご家族の価値観を変えるというのは
本当に難しく、根気が要る作業です。
価値観を変えるというより、価値を認めさせると言ったほうがいいのかもしれませんが...


ただ、ある一つの物事に関して相手と信頼関係を構築することができたら、
それ以外(難航していた問題など)の部分まで信頼されてうまくいくことが多い。
何に対して相手と信頼を深めていくかがポイントです。

真っ向勝負することをやめて、自分の強みをいかせるラポール構築を
目指すべきなのかもしれません。

信頼関係がないところでの「提案」は何も提案していないのと同じ
という怖さがあります。


今回の退院時が本当に大きなチャンスです。
ケアマネがどうでるか?




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